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男の妊活

私は赤ちゃん

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私は赤ちゃん

最近、「私は赤ちゃん」という本を読んでいます。

 

医師で育児評論家の松田道雄さんが、「赤ちゃんの立場から親たちに注文するようなものを書く」というテーマで書かれた本です。

 

「私は赤ちゃん」では、赤ちゃんがいる家族の日常生活の様々な場面が、赤ちゃん目線で語られています。

主人公の赤ちゃんの物言いは、時に「今時の若いもんは」と良いながら余生を楽しむおじいちゃんのようであり、時に無邪気に遊ぶ幼子のようであり、まさに変幻自在です。

そして、その変幻自在さが、「赤ちゃんが話せたらこう思うだろうな。」という、本当の赤ちゃん「らしさ」を醸し出しています。

テーマは産婦人科の入院生活から始まり、お父さんやお母さんのこと、近所のおせっかいおばさんのこと、夜泣きのこと、ミルクや離乳食のこと、赤ちゃんの体調や病気のこと、おじいちゃんやおばあちゃんに会いに行ったときのことなど様々で、どこの家庭でもあるようなごく日常的なことばかりです。

けれど、そのごく日常的なことが、赤ちゃんの目線で見ると、ここまでドラマティックでアドベンチャーな展開になるのかと驚いたり、赤ちゃんの斜に構えた態度につい笑いがこみ上げてきたりと、とにかく飽きません。

そして、そうした面白おかしい文章の中に、お父さんやお母さんの赤ちゃんに対する接し方のヒントがちりばめられていて、軽く読み流すだけでも考えさせられることがたくさんあります。

 

文庫本なので満員電車でも難なく読めますし、一つのテーマが見開き2ページで完結するので気軽に読み進めることができます。

 

私が印象に残っているのは「パパ 私と遊んで」というタイトルです。

中でも、

「サラリーマンであるパパ族が、あまりクタクタになって帰ってくることは、私たち赤ん坊族にとってははなはだ好ましくない。ママに100パーセントのサービスを要求するから、私たち赤ん坊族には恐るべき競争者があらわれたことになる。

パパがもっと元気いっぱいで帰ってきて、私を抱いて散歩に出かけてくれたり、お湯に入れてあそんでくれたりするといい。ママの手だすけになるというような消極的な意味から、それがいいというのではない。私はママだけの子ではない。パパの子でもあるのだ。だから私はパパにも、抱っこしてもらったり遊んだりしてほしいのだ。」

という箇所は、妊娠中の妻と過ごす私にも、ズシッとくるものがありました。

今はまだ赤ちゃんが生まれていないので、ここで赤ちゃんが語る内容は、妻が私に希望し要望していることだと脳内変換して読んでいました。

 

「私は赤ちゃん」は、妻が妊娠した後に私の親がくれた本の1冊で、初版が1960年で今から54年前です(私が読んでいるのは初版ではなく、1985年に出された35版です。)。

そのため、「夫に敬語を使う妻」、「団地」、「汽車」、「家に風呂がないのが当たり前」など、今ではあまり見られない単語や光景も書かれていますが、内容の多くは育児を取り巻く現在の状況にも当てはまると思います。

育児を頑張りすぎている親が読むと少し気持ちが楽になり、サボりがちな親が読むと少し危機感を覚える、そんな一冊です。

赤ちゃんが生まれる前に一度読んで心構えをしておき、赤ちゃんが生まれた後にもう一度読み直す、私にとってはそんな本になりそうです。

 

本の情報

タイトル:私は赤ちゃん

出版社;岩波新書(1960年3月17日第1刷発行)

著者:松田道雄(医師、育児評論家)

著書:私は二歳、母親のための人生論、おやじ対こども、育児の百科など

 

枚方あき

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