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男の妊活

前期破水、陣痛促進剤の使用を経て、巨大児を出産するまでの過程~中編~

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前期破水、陣痛促進剤の使用を経て、巨大児を出産するまでの過程~中編~

前期破水、陣痛促進剤の使用を経て、巨大児を出産するまでの過程~中編~

前編はこちらからどうぞ。

 

午後2時ころ、助産師から「子宮口が開いたので、分娩室に移動しましょう」と言われました。

妻が陣痛で苦しみ出してから、約2時間くらいです。

もはや、妻は、声を押し殺すこともできず、陣痛の旅にうめき声を上げていましたが、助産師の発言を聞くと、少し希望が見えた表情になり、分娩室へ移動しました。

私も内心「やっときたか。」という思いでした。

私は、当然、陣痛が来るわけではなく身体的には苦しくもなんともないのですが、妻が苦しむ姿を見て、苦痛の叫びを聞いているだけで、精神的には半端なく消耗していたので、早く妻を楽にしてやりたいという一心で、分娩室についていきました。

妻は、点滴をしたまま分娩台に上がり、下着を脱がしてもらって横になりました。

台に上る間も陣痛は容赦なく起こり、途中で動けなくなっていましたが、助産師と私の肩を借りてなんとか上りました。

助産師から、分娩時の呼吸法について説明を受けたあと、いよいよ分娩が始まりました。

 

ここから約2時間、妻は、まさに全身全霊をかけて頑張り、赤ちゃんを産みました。

陣痛の度に息を大きく吸って、全力でいきみ、素早く息を吐いて吸ってさらに全力でいきむ、この繰り返しです。

妻は、こめかみに血管を浮かび上がらせ、額に玉のような汗をかき、眉毛がつながるんじゃないかというくらい眉間にしわを寄せていきんでいました。

助産師や看護師からは、「もうちょっと長くいきんで。」、「息吐いたらすぐ吸っていきんで。」などと、無理な要求をされながら、必死にいきんでいました。

私は、なんと声をかけて良いかわからず、かといって全力で頑張っている妻に頑張れとも言えず、「もうちょっと」、「いい感じ」、「上手!少し出てきたよ。」などと、とにかく励ましていました。

今になって考えると、もう少しましな言葉をかけられたんじゃないかと反省してしまいますが、当時は必死で思いつきませんでした。

 

分娩室に入ってから1時間半くらいで、赤ちゃんの頭が見えてきました。

正確には、血にまみれた黒いモジャっとしたものが妻の股の間からちらっと見えた程度でしたが、それでも赤ちゃんの髪の毛だというのが直ぐに分かりました。

その瞬間、「あ、僕の子供や」と戦慄を覚え、「赤ちゃん見えたよ。もうちょっとや」と叫んでいました。

そこからは、あっという間でした(実際の時間では30分くらいかかっていますが、体感時間は1,2分です。)。

助産師の両手に引っ張られて、ズルっという感じで赤ちゃんの頭が出てきたかと思うと、いつの間にか駆けつけていた数名の医師が妻の下腹部を押さえ、押し出されるように肩が出てきて、一気に体と足が引き出されました。

 

赤ちゃん誕生の瞬間です。

産まれるというより引き出されたという感じでした。

変な表現ですが、別の世界からこの世界に引っ張ってこられた、そんな印象を持ちました。

周囲からは、生まれたての赤ちゃんは、血まみれのまま体を丸め、お腹にはヌメヌメした臍帯がついていて、かなりグロいという話を聞いていました。

出産に立ち会った男性にはよくそういう話を聞いていましたし、女性でも同じ意見の上司もいました。

しかし、実際に出産に立ち会ってみると、確かに映像としてはグロかったのだと思いますが、出産に至るまでの妻の苦しみや頑張りを見て、赤ちゃんの頭が見えた時の感動を覚えた後なので、グロいなどとは全く思いませんでした。

それどころか、赤ちゃんの元気な産声を聞くと、身震いし、体が宙に浮くんじゃないかと思うくらいの感動を覚えました。

 

妻の方を見ると、疲れと安堵の入り混じった、とても幸せそうな表情をしていました。

赤ちゃんは、顔をクシャクシャにして泣いていましたが、少しすると落ち着き、無垢な表情を見せてくれました。

 

妻が赤ちゃんを抱っこし、それから、私が赤ちゃんを抱っこさせてもらいました。

ずっしりとした重みと、タオルケットに包まれていても伝わってくる暖かさ、微かに聞こえる呼吸する音、ときおり開くつぶらな瞳、そのどれもがとても愛おしく感じました。

 

後編につづく

 

枚方あき

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