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男の妊活

「今日」という詩を知っていますか

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「今日」という詩を知っていますか

「今日」という詩を知っていますか

先日、新聞を読んでいて、「今日」という詩に目が止まりました。

ここ数年で、ネットなどを介して世の中のお母さんの目にとまり、急激に広まった詩で、ネット上ではけっこう話題になっていましたが、新聞でも取り上げられるようになっていました。

原文は、「Today」というタイトルで、作者は不詳ですが、英語圏では結構前から広まっていたようです。

日本では詩人の伊藤比呂美さんの訳が有名です。

 

今日  伊藤比呂美 訳

 

今日、わたしはお皿を洗わなかった

ベッドはぐちゃぐちゃ

浸けといたおむつは

だんだんくさくなってきた

 

きのうこぼした食べかすが

床の上から私を見ている

窓ガラスはよごれすぎてアートみたい

雨が降るまでこのままだと思う

 

人に見られたらなんといわれるか

ひどいねえとか、だらしないとか

今日一日、何をしていたの? とか

 

わたしは、この子が眠るまで、おっぱいをやっていた

わたしは、この子が泣きやむまで、ずっとだっこしていた

わたしは、この子とかくれんぼした

わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした、それはきゅうっと鳴った

わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった

わたしは、この子に、していいこととわるいことを、教えた

 

ほんとにいったい一日何をしていたのかな

 

たいしたことはしなかったね、たぶん、それはほんと

でもこう考えれば、いいんじゃない?

今日一日、わたしは

澄んだ目をした、髪のふわふわな、この子のために

すごく大切なことをしていたんだって

そしてもし、そっちのほうがほんとなら、

わたしはちゃーんとやったわけだ

(平成26年11月6日の朝日新聞からの抜粋です。)

 

一読したとき、おそらく小さな子どものお母さんだった作者の、育児の大変さを周囲から理解してもらえないという痛切な思いを感じました。

育児の大変さを十分に評価しない社会に対する、ささやかで、でもしたたかな批判を綴った詩です。

新聞でも触れられていましたが、この詩が日本のお母さんの支持を集めたということは、そのまま、日本の育児を取り巻く環境が、子どもを育てる人にとって居心地のよいものではないことを表しているのでしょう。

新聞では、お母さん、特に主婦の大変さが取り上げられていました。夫が単身赴任で、フルタイムで働きながら子育てをこなす人、主婦で24時間育児と向き合い続けなければならない人が、この詩に励まされたエピソードが載っていました。もちろん、そうした人以外にも、様々な環境に置かれた人が育児と向き合っています。

そして、「今日一日、何をしていたの?」とパートナーや家族から声をかけられてしまう人も少なくないでしょう。

この詩が誰にも見向きされず、共感もされない世の中になるには、まだまだ時間がかかると思いますが、少なくとも妻は、この詩を読んで共感してしまうような状況には置きたくないなと思っています。

 

枚方あき

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